からす座 [☆のお話]
先日、ふうりんさんのブログで「白いカラス」の記事がありました。
で、ふと思い出したのが夜空の星座にある「からす座」。
あまり聞きなれない星座かもしれませんが、「トレミーの48星座に含まれるれっきとした星座です。
4つの三等星でヨットの帆のような形をしていますね。
場所は春の星座である「おとめ座」の南(下)の方にあります。
星座絵を合わせてみますと・・・
ちなみにこのからす座のさらに南にず~っといくと、かの「南十字星」があるのです。
さて、何故、「白いカラス」でこの星座を思い出したかと言いますと、このカラス座にまつわるギリシャ神話からなのです。
実はこのカラス、太陽の神アポロンに仕えていたそうで、とても頭がよく人間の言葉を話し声も美しい真っ白な鳥だったそうです。
さて、この太陽の神アポロン、とても美しい人間の娘「コロニス」に惚れちゃいまして(^^ゞ
しかもべたぼれ(^_^;)
明けても暮れても「ころにすぅ~♪」といちゃついておりました。
しかしある日、大神ゼウス様の命令でちょっと出張に出かけねばならないことに・・・。
「コロニスちゃんと離れ離れは嫌だなぁ。でもゼウス様には逆らえないしなぁ・・・。ぼくがいないあいだになにかあったらどうすんだよぉ・・・。あぁ・・心配だよ~~」
・・・・って、神様の威厳ってものはどこに(ノ_-;)ハア…
そこでアポロンはカラスに出張先と自宅との間を往復して、定期的にコロニスの様子を報告するように命令します。
そんな訳で、カラスは行ったりきたりの往復を何度も続けていたのですが・・・まぁ、ねぇ、カラスでなくても思うよね。
「ったくもぉ~~、やってらんねぇよぉヾ(`⌒´メ)ノ″」
ある日のこと、カラスは「ちょっとだけ昼寝していこう。あとで急げば間に合うし~」と、ついさぼってしまったのでした。
( ゜o゜)ハッ
と気がついた時には、約束の時間はとうに過ぎている!!
「やっべ~~~!!」
と大慌てでアポロンの元へ。
「あぁ、アポロン様、怒ってるよぉ。どうしよう、やばいなぁ、なんとかごまかさないと大変だよこりゃぁ・・・」
「カラス!いったいこんな時間までなにをしてたんだ!どうせまたどこかで昼寝でもしてたんだろう!!」
図星です(^-^;
「あ、アポロン様、ち、ち、違うんです、コロニス様のことで大変なことが・・・・」
「な、なにぃぃぃ!!コロニスになにかあったのかっ!!どうしたというんだ!!」
「そ、そ、それが、コロニス様、アポロン様がいないのをいいことに若い男を連れ込んで、一緒に寝室へ・・・。それを隠れて確認していたもので遅くなってしまったのです・・・・」
「な、な、な、なんだとぉぉぉぉぉぉ!!」
烈火のごとく怒ったアポロン。そりゃもう太陽の神ですから、まさに燃えてます。
急いで家に戻るアポロン。
「お、お、お、お前という奴はぁぁぁぁ!!」
なんと、問答無用で愛するコロニスを射殺してしまったのです。なんというかまぁ・・・ちゃんと確かめようよ、アポロンさん(ノ_-;)ハア…
虫の息のコロニスは、自分のお腹にアポロンの子供がいることを告げ、この子を助けてくれるようにと願って息をひきとります・・・
「ぼくは、なんということを・・・・・」
そしてすべてがカラスの口から出まかせだったことを知ったアポロンは、「お前のような奴が人間の言葉を話せるからこういうことになったのだ!」とカラスから言葉を取り上げ、美しかった声もガァーガァーとひどい声でしか鳴けなくしてしまいました。
そして、太陽神の怒りはカラスの身を焼き、白かったカラスは真っ黒にコゲついてしまったのです。
焼かれてしまったカラスはさらに天に釘で動けないようにはりつけにされてしまいました。
焼かれて喉がカラカラのカラスの前には水がなみなみと入ったコップがおかれ・・・、でもそれを見るだけで決して飲むことはできないのです・・・
まぁ・・・・確かにカラスの「嘘」はいけないと思うけど・・・問答無用で愛する人を殺しちゃうアポロンもアポロンだと思うけどなぁ。
そんなんじゃ、人に ○ホロンって呼ばれちゃうぞ?(^_^;)
ちなみに、コロニスの死後、おなかの赤ちゃんは無事に助け出され、賢者ケイロン(いて座)のもとで育てられ、後にアスクレビオスという立派な医者となりました。
え~、いかがでしたでしょうか?
けっこう、ギリシャ神話って面白かったりもします。
この時代の神様って、人間以上に人間っぽいっていうか、もっと「俗」っていうか(^。^;)
それぞれの話がいろんなところで結びついてたりもします。
もし、もっといろいろ聞きたい、なんて奇特な方がいらっしゃいましたら、不定期で(ネタに困ったときに?)書いてみたいと思います。
※ギリシャ神話にも、いろいろ諸説があったりしますので他と話が違ってもつっこまないでね(^_^;)
※多少「TAKE流」で脚色されてます(^。^;)
※星図、星座絵などは「Stellarium」というフリーのオンラインソフトを利用させていただいてます。